■中盤の3人に続くのは旗手だ
中盤の3人は不動だ。遠藤航、守田英正、田中碧は、試合を重ねるたびに連携を深めていき、攻守両面においてチームに不可欠な存在となっている。3人のコンビネーションはもちろん、遠藤と守田、遠藤と田中、守田と田中の意思疎通も抜群で、同時にピッチに立つことでお互いの長所がさらに引き出されている。化学反応のレベルが驚くほど高い。
彼らのバックアップ候補として、旗手怜央は29日のベトナム戦でぜひとも試したい。川崎フロンターレ在籍時のチームメイトだった守田と田中とは、お互いの特徴を分かり合えている。遠藤とは東京五輪でともにプレーしている。強度の高いプレーができ、ピッチ上で柔軟な対応のできる旗手は、このチームで先発に食い込める可能性を秘めている。
あるいは、ウイングに数えられている選手を、インサイドハーフでテストしてもいい。攻撃的な色合いが強まるが、試合の状況によっては必要なオプションである。
中盤の人選に関わるもうひとつのオプションは、システムの変更だ。遠藤、守田、田中の3人が揃わない場合や、3人の誰かを交代させた場合は、4-2-3-1で戦うのも現実的だろう。
3トップにも同じことが言える。伊東純也、大迫勇也、南野拓実の組合せは、攻撃はもちろん守備の機能性も高い。ただ、最終予選の9試合で複数得点が2試合しかない、という現実もある。伊東が4ゴールと気を吐いたが、大迫と南野はチャンスを生かしきれない試合もあった。
それでいて、彼らに次ぐ選手の序列はいまひとつはっきりしていない。右ウイングなら久保建英と堂安律、CFなら古橋亨梧、浅野拓磨、前田大然、上田綺世、左ウイングなら三笘薫らが選択肢になっているが、最終予選を経て明確なジョーカーとなったのは三笘だけだ。
森保監督のもとに集うアタッカー陣は4-3-3にフィットするが、4-2-3-1でも問題なくプレーできる。トップ下には久保や鎌田大地を起用すればいい。中盤の構成だけでなくアタッカー陣を生かす意味でも、4-2-3-1を併用していくべきだ。