■2人は同じビジョンを持っている

 前節と同様にマフェオから久保へのパスは無いが、どうやらそれは狙い通りのことのようだ。アーセナル冨安健洋がベン・ホワイトからパスを貰えないということが一時期同じように話題になったが、パスが無いからといって悪い関係ということではなく、互いの意図が一致しているかどうかがポイントだ。

 クロスがカウンターを引き起こす場面が目立つために悪い関係に見えやすいものの、2人の関係性としては、クロスまでスムーズに進んでいる方を見るべきだろう。

 よりわかりやすいのは、先制点となるPKを獲得した場面だ。ペナルティエリアに侵入したマフェオが倒されたものだが、これは久保とマフェオの間にパス交換そのものはなかったものの良い連動ができていたからこそ獲得できたものだった。冨安とホワイトの時と同様、2人は同じビジョンを持って動いており、パスの有無イコール問題、ではないことが十分に窺える。

 しかし、ボールを持っていない時の動きで攻撃を機能させている久保だったが、ボールを持った時の自身のパフォーマンスそのものは普段よりも低いものだった。いつもよりボールタッチが大きくなってしまい、思うように足につかない場面が目立った。

 後半に入ると、58分、自陣ペナルティエリア前で守備にあたった久保はビルバオの横パスを邪魔することに成功したものの、コースが変わったボールは不運にもエリア内のビルバオの選手に繋がってしまい、そこから1点を返された。

 動きそのものは良いのにもかかわらず上手くいかない、というここまでのパフォーマンスを象徴するかのような不運で、久保の日ではない、と思わせるものだった。

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