【独占インタビュー(1)】冨安、遠藤、鎌田…日本代表主力の「欧州の入り口」を作った日本人経営者の「新たな試み」の画像
UDオリヴェイレンセ社長の山形伸之氏   写真/本人提供

 5月23日にシーズンを終えたポルトガル2部リーグ、リーガ・ポルトガル2に所属していた『UDオリヴェイレンセ』。UDオリヴェイレンセは、ポルトガル北部に位置するオリヴェイラ・デ・アゼメーイスをホームタウンとするサッカークラブである。

 同クラブは、2019年12月、日本企業「株式会社ナッツアンドアバウト」がクラブ株式の70%を買収して経営権を取得し、現在は、DMM.comによるベルギー1部リーグ、 冨安健洋遠藤航鎌田大地が巣立ったチーム・シント=トロイデンVVの買収と経営にかかわった山形伸之氏が社長を務めている。

 小野原和哉(前レノファ山口FC)、小枇ランディエメカ(前いわきFC)という2人の日本人選手も所属するオリヴェイレンセは、昨シーズンの最終戦で引き分け以上なら残留という状況で、痛い黒星を喫し、来季はポルトガル3部リーグで戦っていくことになった。

 来季、3部で戦うことになったオリヴェイレンセ。クラブ社長の山形氏は、チーム改革とともにクラブ改革に乗り出すという。山形氏が中心になって行われるその改革のひとつが、クラブが発行する「クラブトークン」である。クラブトークンは、サッカークラブの経営上で今、注目される試み。経営上の新施策ひとつであるそれは、世界のトップクラブ、バルセロナユベントス、そしてJリーグ湘南ベルマーレも行なっている。

 クラブトークンとは、ブロックチェーン技術を利用し発行、管理されるデジタル上のアイテム。クラブを応援するサポーターがそれを購入することで、クラブサイドは、クラブの運営、強化費にも使える資金を得ることができる。サポーターサイドは、クラブが企画する限定イベントやグッズを入手しやすくなるといったことに加えて、クラブトークンは、トークン保有者の売買に応じて価格が上下するもの。

 サッカー批評Webは今回、山形氏に「クラブ経営最先端の試み」を行った狙い、そして来季以降見据えるクラブの未来を聞いた。

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