【久保建英】30分出場でも「覆らない評価」残された2試合の「最終ミッション」の画像
チームには貢献した久保建英だが…… 写真:なかしまだいすけ/アフロ

【ラ・リーガ セルタvsヘタフェ 2021年5月12日(日本時間27:00キックオフ)】

 60分に投入され30分のプレー時間を得た久保建英だったが、攻撃でインパクトを残すことはできなかった。

 良いプレーはあった。

 たとえば66分、中盤でボールを落ち着かせようとしたセルタに対し、ルーズ気味になったところを久保が後方から突っつきヘタフェボールとした場面。

 あるいは71分、ヘタフェが攻撃に転じ、相手陣内に入ったところで左サイドを進んだハイメ・マタから中央の久保へとパスが出た場面。ボールは進行方向と逆側へずれてしまったが、久保はこれにうまく反応して収め、難しい体勢の中で右サイドに繋げてみせた。

 この日の久保はこれら以外でも攻守の切り替えの場面で反応の鋭さを見せ、献身的なテクニシャン、というプレーを披露していた。

 しかし、守備や中盤でのチームプレーでしっかりと役割を果たした久保だったが、70分の左足でのクロスは高さが足りずに簡単に手前でクリアされてしまい、82分にディフェンダーと相対した状態から縦へ進んで右足で上げたボールも弾き返された。

 右サイドから切れ込んでのシュート、という持ち味は失われてしまい、先の良いプレーと合わせてみるとこの試合で久保は、少し上手いけれど怖くはない選手になってしまっていた。シュートがないアタッカーはそれほど脅威ではない。

 もちろん、チームプレーヤーとして重要な仕事は果たしていた。それは疑いの余地はない。ホセ・ボルダラス監督が「現在我々が求めているのはバランスのとれたチーム」と語っていたことへのアンサーとしては合格に値するものだったが、それならば久保である必要はない、というジレンマに陥ってしまっている。ごく普通のプレーヤーとして戦えます、というアピールが上手くいっても、それで得た次のプレー機会はその期待を裏切らないようにしなければならない。

 そうやって徐々にこじんまりとしていってしまうのは誰も望んでいない。久保の価値はそこではないからだ。

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