試合中、守備への執念が見られた場面があった。前半14分のことだ。仙台が得たコーナーキックからゴール前の混戦に持ち込まれ、仙台FWアレクサンドロ・ゲデスにシュートを撃たれるなど、際どいシーンが続いた。浦和は何とか逃れたものの、仙台は左に展開。それを追いかけたゲデスと、浦和の興梠慎三、MFエヴェルトンの1対2で奪い合いになる。
興梠が体を張ってボールを外に出したものの、エヴェルトンがそれを中に蹴り込んでしまう。ゲデスはそのボールを受けるや素早く味方にパス。これがクロスにつながり、DF飯尾竜太朗のペナルティエリア内でのシュートに持ち込まれてしまったのだ。
シュートが枠をとらえきれずに外に出た瞬間、線審に対して憤怒の形相で吠えたのがDF槙野智章だ。「審判、しっかり仕事してくれよ!」「出てたでしょ!」と、顔を真っ赤にして口を大きく開いたのだ。繰り返し吠える槙野に、サポーターからは思わず笑い声も聞かれたが、当の本人は真剣だ。